2017-12-22

まごチャンネルのデザイン誕生秘話に迫る! 実は、かな〜り長い道のりと進化を経て、今の形になったんです!

第2話:「多数決ではなく感度のいい人に聞く」「崇高なデザインはただのエゴ?」石井さんのデザイン流儀

第1話:この人だ!と感じたその一瞬を逃さない。プロダクトデザイナー石井聖己さんとの運命の出会い。
第3話:デザインが見えた! 停滞を乗り越え、最高のプロフェッショナルと妥協しないチーム再編を目指す。


第一話では、まごチャンネルデザイナーの石井さんとカジケンさんの出会いと石井さんについてお伝えしました。今回は、石井さんのデザインスタイルについて聞いて行きます!

編集部:石井さんにまごチャンネルのデザインを依頼した後、具体的にどうプロジェクトが進んでいったのか、教えてください。

石井:まず、梶原さんの中にどういうデザインのイメージがあるのかをすり合わせるために、3時間くらいかけて色々な製品や家具の写真を見てもらいました。

カジケン:「これ好きですか? これはどうですか?」って、石井さんから何百枚もの写真を見せてもらったんですよ。僕も「これはあり、これなし」って即座に判断していって。

カジケンの中にあるものを吸い上げる作業を延々としていったそう

石井:そうしていくうちに、梶原さんの好きなテイストが見えてきたので、次は「これがやりたいことですよね」っていうのを落とし込む作業に着手しました。

編集部:すでにカジケンさんの中にありながら具現化できていなかった想いやイメージを、デザインスキルを使って引き出し視覚化させていったのですね。

カジケン:それから、鎌倉で大雪の中2泊3日の強行合宿をやったんですけど、そこにも参加してもらいました。

石井:僕はまだ会社員だったので、合宿の途中から参加したんですけど。CGで作った商品案を持っていきました。

カジケン:いきなり、ですよ!
そのCGがまた本格的で、なんかもうできちゃってるんですよ(笑)
それだけでもびっくりしたのに、「人は、離れていても存在を近くに感じられる」という企画書の中には、ロゴから封筒、ブランド全体の考え方まで記されていて。

大切にしたいこと「人は、離れていても存在を近くに感じられる」。いまと全くブレていない……!

石井:合宿で紙モックも出しましたね(笑)

編集部:カジケンさんの好きなもの把握したあとに、もうモックですか! すごいスピード感ですね。
石井さんは、デザインするときにいつもそういうスタイルなんですか?

石井:そうですね。
梶原さんの話を聞いて本質はすでに固まっていると思ったので、こういうサービスが実現するかどうかも含め、改めて上流概念から視覚化する作業が必要かなと。
自分の場合、どんなデザインでもそこから始めますね。

カジケン:石井さんに整理してもらって、自分としてはまごチャンネルを本当にモノとしてイメージできるようになりました。

試作のやり直しは70回以上! 本質を見据えて生み出されたカタチ

編集部:まごチャンネルって、デザインの試作を70回以上もしているって聞いたのですが。

カジケン:そうなんです。すごく覚えてるのは、30回目くらいのとき。
アンテナみたいなのがついたデザインを石井さんが作ってくれて、これを発表したら賛否両論あるだろうけど、それもまたベンチャーっぽく良い意味で尖った方向性だろうと感じて「いいなぁ、これだ!」なんて思っていたんですけど。
ユーザーとして想定している女性たちに見せたら「埃がたまる、折れそう、危ない、なし!」ってバッサリ(笑)

編集部:あちゃー。遊び心があってすごく素敵なデザインですよね。
でもぶっちゃけ、私も「これ掃除しにくそー」というのが第一印象でした(笑)
石井さん、70回もやり直しって、うんざりしなかったんですか?

石井:いろいろな視点から検討することが大切なので、プロダクトの世界では普通ですね。
あとやっぱり使ってくれる人はどう感じるのか? という視点は大事だと思います。

カジケン:石井さんからは、「感度がいいと思う人に聞いてください」と言われて。

石井:はい。アンケートで10人中7人がこう答えた、というのは参考にならないんですよ。
やはり感度の良い人に聞くというのが重要です。

カジケン:そうしたら、みんな同じ答えだったので、アンテナのデザインは完全に自分たちのエゴだと気付かされて、なくなりましたね。
ただ、そのあとに出てきたデザイン案のうち、優しい灯りが漏れているデザインがあったのですが、その感じが僕的にはものすごく好きで。
生活の温かみが感じられるんじゃないかと、デザインとして灯りを残せるかと石井さんに相談しました。

編集部:
灯りっていうのは、今のまごチャンネルに写真や動画が届いた時の光ですよね。ではその辺りから、家の形になっていったのですね。

石井:家の形について、議論はありました。
デザイン業界としては、家電を家の形にするなんて、リテラシーが低く見られてしまうので、こういうデザインは出さないんですよ。
デジタル機器なら特に、もっと崇高なものにしなきゃいけないというのがあって、デザイナーとしての手腕を疑われてしまう。
自分としては冒険でしたね。同じ業界の人からどう見られるかなと。

編集部:デザイナー視点での「あたりまえ」を覆す悩みや恐怖もあったのですね。

石井:まごチャンネルがグッドデザイン賞ベスト100を取った時に、受賞プレゼンで正直にその想いも話しました。そうしたら、審査員の人や周りの人から「良かった」と。
「今、みんな崇高なものを崇高なデザインとし過ぎている。それってデザイナーのエゴではないかと。
〜っぽいものが多い中で、あえてのローコンテキスト。
名前もまごチャンネルと、どストレートにやっているのがすごく良かった」と言ってもらえて。ほっとしたのと、これで良かったんだという自信につながりましたね。

とはいえ、「今のデザインももっとこうしたいというのはありますよ」とこだわりを見せる石井さん。え、言われても違いが全然わからない!

カジケン:箱もなんですよ。
「パッケージどうしようか」という話になった時に、石井さんがデザインしたのは何もない箱で。

石井:初めは立体の画用紙にしたかったんですよね。
まごチャンネルって本来、それぞれの人にとってはそれぞれの子供のチャンネル。
だから、クレヨンを同封して届いた後、子供がそこに落書きをしておじいちゃんおばあちゃんに送ったら、世界に一つだけのパッケージができるなと。

カジケン:おーっと、そう来るか! って感じでしたね。
世界に一つだけのその子のチャンネルであるべきだよね、というコンセプトは大賛成。
そこから、じゃあどうやって具体的に落とし込んでいくか、そこからさらにたくさんアイデアの打ち合いをして、それでパッケージ部分を子どもの名前にカスタマイズできる今の仕様になったんです。

編集部:あのパッケージは、そこから発案されたんですか!

カジケン:そうなんですよ。
石井さんとは毎回打ち合いというか、互いに豪速球を投げあって、それを思いっきりどうやって打ち返そうかと考えて議論していくような印象なんですが、毎回そのたびに気づきや発見があり、無駄が削ぎ落とされコンセプトやサービスが深く本質的に磨かれていく感じです。

石井:次は、第二弾、第三弾を具現化していきたいですね。
いまバージョン2を作っているんですけど、バージョン1より難しいです。
1はかなり象徴的に作っちゃったので、そこから離れるべきなのか、または家のメタファーを踏襲するのか……。

編集部:石井さんの悩みは尽きませんね(笑)

(photo:木内和美 text:ひらばるれな)



SEIKI DESIGN STUDIO 代表
石井 聖己(いしい せいき)氏
http://www.ishiiseiki.com/
GOOD DESIGN AWARD best100, IF DESIGN AWARDなど、国内外でのデザインアワードを多数受賞。Lahti University of Applied Sciences ,Industrial design (Finland) / Stanford University ,ME310 Project (USA) / 京都工芸繊維大学 大学院デザイン科学専攻 修了



おなじみ、我らが「まごチャンネル」のチカク社長かじけんこと梶原健司氏。
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まごチャンネルとは? 離れて暮らすご実家のテレビに、スマホで撮った子どもの動画や写真がすぐに届くサービスです。テレビリモコンで操作ができ、ネットがないお宅でも使えます。これで生活が変わった!とご利用者からの声がたくさん届き、グッドデザイン賞ベスト100に選ばれるなど高い評価をいただいています。

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